ようこそ『The Ark』へ
ようこそ、物好きな皆さま。
当ブログでは、不可思議な小説、童話的な小説をおいております。
そのようなモノがお好きな方はどうぞ足を止めてください。
小説のジャンル別にカテゴリを分けてます。
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色々なお知らせ等は「はじめに」カテゴリにて御案内しています。
それでは、どうぞごゆるりと。。。
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since:2006.12.02
糸綴じの本:目次
伯爵は、手に持った少女人形、リデルと名付けたその子を、優しく撫でていた。
まるで、辛い記憶を掘り起こした事を詫びるように、リデルという人形への愛情が、優しく伝わってきた。
「彼女は」
伯爵が口を開いた。視線は人形に注がれたまま。
「彼女はまだ、幸せだったと思うのだよ」
そう言いながら、伯爵が視線をあげる。
視線の先に、もう一つ、いや、もう一人、人形がいた。
それは少女と言うには少し大人びた、大人にもなりきれない、けれど艶めかしい女性の人形。
しかし、彼女は目と口を隠され、手は後ろに結ばれていた。
美しいであろう顔は見る事がかなわない。
「ジェシーと言うんだ」
伯爵はそう言った。
「リデルがどうして幸せだったか、話してあげよう」
暖炉の灯で壁に映った私と伯爵の影が、ゆらりと揺れた。
夜はまだ、長い。
まるで、辛い記憶を掘り起こした事を詫びるように、リデルという人形への愛情が、優しく伝わってきた。
「彼女は」
伯爵が口を開いた。視線は人形に注がれたまま。
「彼女はまだ、幸せだったと思うのだよ」
そう言いながら、伯爵が視線をあげる。
視線の先に、もう一つ、いや、もう一人、人形がいた。
それは少女と言うには少し大人びた、大人にもなりきれない、けれど艶めかしい女性の人形。
しかし、彼女は目と口を隠され、手は後ろに結ばれていた。
美しいであろう顔は見る事がかなわない。
「ジェシーと言うんだ」
伯爵はそう言った。
「リデルがどうして幸せだったか、話してあげよう」
暖炉の灯で壁に映った私と伯爵の影が、ゆらりと揺れた。
夜はまだ、長い。
D伯爵の童話 | 2006.12.08